■ 春爛漫♪花咲くヨーロッパ紀行 ■   |   2                Photo |TOP|HOME|

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オランダ
〜風車〜

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2日目:2010年5月16日(日)

■ 朝の散歩

 6時に起床予定だったが、結局5時半には起きて準備。6時40分にはホテルを出発した。今日の目的地は風車があるザーンセ・スカンスという町とお花の季節だけしか開園しない期間限定のキューケンホフ公園のチューリップだ。
 余裕がある出発だったので、ホテルの裏に広がるフォンデル公園をのんびりと歩きながら、トラムの乗り場に向かうことにした。フォンデル公園は大きな公園で、いろんな鳥のさえずりが聞こえてくる。これを楽しむためにToro Hotelにしたわけだけど、本当に気持ちがいい。
 朝が早いせいか、人とほとんど会うことはなく、時折、ランニングしてる人や自転車に乗ってる人とかがすれ違ったり、追い越していくくらいだ。しばらく公園内をあるいていたけれど、公園内にいると地理感覚がわからなくなるので、途中で外に出て、住宅街の中を歩いていく。広い道に出たら、昨日は購入できなかった回数券を買えないだろうかと新聞屋さんを探しながら歩いていくが見つからない。そうこうしているうちにトラムの乗り場が。見てみると……アムステルダム中央駅に行かない路線だった。あれ? 5番トラムの線路沿いを歩いていたつもりだったんだけど。アムステルダム中央駅行きのトラムを調べてみると、ここからは1番トラムの停留所が一番近いようだ。ちょっと予定より遅れてるかも…。
 駅構内に入ったら、まっすぐチケット売り場に。ザーンセ・スカンスがあるコーフ・ザーンダイク(Koog-Zaandijk)に行きたい旨を伝えたら
「8時17分に電車がありますので、それに乗ってください」
 とチケットをくれた。私が調べてきていた電車は7時47分。あと2分しかないから、次の電車を案内されたらしい。ザーンセ・スカンス行き方についてはばっちり調べてきていて、自信があったので、もし乗れそうだったら…と走ってホームに向かうことに。忘れないように切符に刻印したら、ホームに駆け上がる。そして、予定通りの電車に乗り込んだ。余裕♪



■ ザーンセ・スカンスの風車

 乗り込んだ電車は空いていて、快適。コーフ・ザーンダイクまでは4駅20分弱であっという間に到着する。オランダで風車村というと、キンデルダイクが有名だけど、キンデルダイクは個人で行くにはちょっと遠くて行きにくい。時間が限られている旅なら、ザーンセ・スカンスは最適な風車村だ。
 コーフ・ザーンダイクの駅から歩いて風車があるザーンセ・スカンスに向かう。道にはちゃんと案内が出ているので、それを見ながら歩いていけば安心。といっても、道も簡単だけど(まっすぐ行って、突き当りを左に曲がって、橋を渡れば到着)。
 歩いていくと、近くにチョコレート工場があるのか、とにかくチョコレートの甘い匂いがする。そして、朝が早いせいか、誰もいない。チョコレート工場の横を抜けると、先に橋が見えてきた。これを渡れば、ザーンセ・スカンスだ。この橋、ずっと工事中で、ちょっと前までは舟を使わないといけなかったらしい。無事、工事が終わっていてよかった。
 橋を渡っていると、川沿いに風車が何基も見える。曇り空な上、風も強く、橋の上はかなり寒い。さっさと写真を撮って、渡りきった。
 ザーンセ・スカンスは風車だけではなく、ザーン地方の緑の壁と白い縁取りの窓のかわいい家も保存しており、とてもかわいい家が並ぶ。早い時間なので、まだ全然お店とか開いていない。
 かわいい家を見ながら道を進むと、川沿いの土手に出る。ここから風車が5基見えた。くもり空で薄暗いのが惜しい。それでもたくさん並ぶ風車に感激だ。
 川沿いに出るとやはり風が強くて寒い。風車の内部見学ができる時間まではまだ時間があるし、早くから開いているチーズ職人のお店で時間をつぶすことにした。
 チーズ職人のお店はもちろんチーズがメインのお店。入るとちょっとした軽食が食べれるスペースがある。ここで朝食食べればいいんじゃない?と友人と決め、とりあえずお店の中を見学。奥の方にはチーズの塊がいっぱい並んでいる工房スペースもある。どうやら、チーズの作成過程が見れるらしい。
 お店はチーズをメインとして、他にもいろんなお土産が売っている。少しチーズを味見させてもらった後、軽食スペースに行ってハムとチーズのサンドウィッチとカプチーノを食べた。焼いたトーストにチーズとハムがはさまれていて、おいしい!! お腹空いていたんだよね。
 ほどよい時間になったので、風車を見て回ることに。団体ツアーのバスも到着したようで、さっきまで静かだったのに人がいっぱい増えてきた。
 いくつかの風車は内部も見学ができるようになっていて、一番奥にある風車の見学に行こうと思っていたのだけど、オープンの時間になっても開かず。中に人がいる気配はするけど、待てど暮らせど開かないので、少し戻って、染料の風車の中を見学することにした。すでに観光客がそれなりに入っている。
 染料をひいているところは混んでいるので、先に上にあがってみようと、階段を上がって行った(これ、後で間違いだったと後悔するんだけど)。2階に上がると、外にも出ることができる。外は何も考えずに出たのだけど、床が木でそれも隙間がある状態のため、下を見ると結構怖い。端にも寄れない。
 朝はまだ布を張っていなかったが羽に布を張って、ぐるんぐるんと羽が回っている。中の仕組みは木なので、なんとも暖かい音が響く。
 上がれる一番上まで上がったら、降りることに。「出口」という矢印通り降りてきたら、粉をひいているところには降りれず、お土産スペースに。え〜〜〜!!? ま、風車は上にあがるのを楽しみにきたから別にいいんだけど。
 風車から出たら、お土産屋さんに行くことに。木靴のお店とかあったりして、観光地ならでは…お土産によいお店がまとめてあるのだ。
 デルフト焼があったり、木靴があったり、オランダらしいお土産がいっぱいある。木靴のお店ではおじさんが木靴の作り方を実演していて、おもしろいし、デルフト焼のところでは絵付けを見ることができる。お土産用に小さな木靴をいくつか購入。昔、私も誰からか小さな木靴の置き物をもらって、飾っている。あれが赤だったので、自分のは違う色。実はくる時に飛行機の中で配られた機内食のパッケージに使われていたデルフト焼みたいな白に青い柄の木靴がかわいいと思ってそれを狙ってきたので、自分には白に青い柄の木靴。あとは選んでもらえばいいでしょうとかわいいのをチョイスした。
 ザーンセ・スカンスにはいくつかのカフェやレストランもあるので、軽く腹ごなしをしてから次の場所へ移動することに。せっかくなので、オランダらしいパンケーキを食べてみることにした。
 セルフサービスのお店に入り、注文することにしたのだが、メニューを見てもよくわからないので、パンケーキでアプリコットとクリームとエッグなんとか…というのを注文してみた。番号を書いたカードを渡され、席で待つように言われた。しばらく待っていると鐘がなり、番号が表示される。最初、全然気が付かなかったのだけど、ひとが動いているのを見て気が付いた。
 パンケーキを受け取って見てみると、エッグなんとかはどうやら、カスタードクリームであったことがわかった。それにしても豪快にジャムとクリームがのせられている。いただきます………うっ。アプリコットジャムはおいしい。生クリームも平気。でも、カスタードクリームがダメだった。たぶん、洋酒が結構入ってる。匂いも味も苦手だ。仕方がないので、カスタードクリームをよけて食べることに。結構ボリュームがあってお腹がいっぱいになった。
 お店を出て、駅に向かいながら、アンティークショップを覗いてみた。ごちゃごちゃと店内はところ狭しと商品が置いてあった。いいものとかももしかしたらあるのかもしれないけど、全然わからない。素敵なティーカップがあったけど、これを持って帰る自信もなく…。そろそろ帰るか。
 駅に戻って、アムステルダム行の電車の時間を調べてみる。20分もこなかった…。ホームでのんびりと待って、12時26分発の電車に乗って、アムステルダム中央駅に戻った。



■ アムステルダムでやっぱり右往左往

 アムステルダム中央駅についたら、まずやること! トラムの回数券を購入すること!!
 駅の構内にある売店に行って「ストリッペンカールト(回数券)をください」というと、15コマか45コマか聞かれたので、15コマを1枚ずつ購入した。このストリッペンカールトは現在は使われておらず、ICのカードに切り替わっている。便利でよかったのに、残念だ。
 午後は少しだけアムステルダムを見学する。まずはマヘレの跳ね橋というゴッホが描いたらしい跳ね橋に向かうため、4番トラムに乗った。
 4番トラムは真ん中に車掌さんがいるスタイルのトラムで、乗り込んでストリッペンカールトを車掌さんに出すと「どこまで行くのか?」と聞かれたので、マヘレの跳ね橋の一番最寄の停留所を伝えたら、日付と時間の書いてあるスタンプを押してくれた。ちなみに1回乗車するのに2コマ必要となる(初乗り1コマ+ゾーン内移動1コマ=2コマ。ゾーンをまたがる場合は1コマ+2コマという計算)。
 電光掲示板を見ながら、順番を追っていたのだけど、途中いくつかわからない停留所の名前があって、ん?と思っていたら、数え間違え、ひとつ先の停留所まできてしまった。ここはどこ??? 慌てて降りると、車掌さんが「あの日本人まだ乗っていたのか!?」という顔でこちらを見てきた。
 降りたはいいものの、まったく場所がわからない。たぶん、こっちの方だよね…と歩きはじめるが、完全に地図上でも自分たちの位置を見失っているため、どこに向かえばいいかがわからない。どうしたもんか…と思っていたところに自転車に乗ろうとしていた男の人を発見。声をかけて、今いる場所を確認し、マヘレの跳ね橋への行き方を教えてもらう。ちゃんと教えてもらってよかった。方角が90度間違えていた。
 教えられた通り、道を歩いていくと、途中の公園でかわいい遊具を発見したり、また、運河(川?)では木靴の形のボートにも遭遇。超かわいい!! わ〜〜いと慌てて写真を撮っていたら、手を振ってくれて、挙句戻ってきてくれた。ありがとう。
 ちょっとさまよいながら、なんとかマヘレの跳ね橋に到着した。この橋が有名らしいんだけど、オランダにはあちこちに跳ね橋というのはある。ザーンセ・スカンスに向かう途中にあった橋も近代的ではあったけど大きな跳ね橋だった。船が通る時にはちゃんと橋があがって、船が通れるようになるらしい。ちなみにマヘレの跳ね橋のすぐ先にも同じような跳ね橋があった。違いがわからない(違いがわからない女)。



■ カナルハウス ヴィレット・ホルトハウゼン博物館

 続いて向かったのはヴィレット・ホルトハウゼン博物館というカナルハウス。カナルハウスというのは17世紀初頭に東インド会社の豪商たちが運河沿いに競って建てたという館。内装は豪華で、貴族の館といった雰囲気。アムステルダム内には常時オープンしているカナルハウスが2つあり、ヴィレット・ホルトハウゼン博物館はそのうちの一つ。お庭の薔薇が美しく咲く時期だけお庭を解放するカナルハウスもあり、そんなお庭のことを秘密の花園と呼んでいるらしい。
 マヘレの跳ね橋からほど近いところにあるヴィレット・ホルトハウゼン博物館。ただ、地図を見ていると、どうやら表の玄関も裏のお庭も道に面しているらしいことがわかる。どっちの道だ??? よくわからないので、アムステル通りを行ってみると、お庭にたどり着いた!! チューリップが咲いているきれいなお庭だ。が、お庭ということは、反対。入ることができない。仕方がないので、一度戻って、ヘーレングラハトという通りを入ると、入り口を発見した。
 中に入って、一階から順番に見ていく。入ってまずあるのがおしゃれなキッチン。タイル張りの壁だが、あちこちにとても素敵な絵付けがされている。また、飲み水をろ過するための装置?があった。
 続いて二階に上がって行く。階段を上がったところの廊下には素敵な連作と思われる絵がかけられていてとても素敵。この絵の写真をガイドブックで見たから、ここのカナルハウスにくることに決めたんだった。
 階段をあがって右手には豪華なダイニングルームがある。ここは盗難防止なのかなんなのか…ガラス越しにしか見ることができない。煌びやかな調度品に食器。キラキラしてかわいらしい。
 隣の部屋はお庭を見ながらお茶する小さなお部屋ということで、お庭を眺めることができる。上から見るお庭も素敵だ。幾何学の模様がよく見える。 このフロアには他にブルールームというサロンがあったり、華やかなボールルームがあったり、控えの間があったりと盛りだくさん。どの部屋にもシャンデリアがかけられており、キラキラしている。
 続いて三階。三階のメインは主人の寝室。お風呂が好きだったここの主人は毎日?のようにお湯をこの部屋まで運ばせ、お風呂に入ってたんだとか。水道がないこの時代…一階のキッチンでお湯を沸かし、手で運ぶしかなかったわけだから、召使さんたちは本当大変だっただろうな〜。ちなみに英語の解説を読んで勝手に解釈しているので、間違っている可能性あり。
 後の部屋は企画展みたいなことをやっていた(あまり覚えていない)。
 さあ、お待ちかね。一階に降りて、お庭に出ることにしよう。ちなみに、一階二階…と書いているけど、これは日本的数え方。ヨーロッパでは一階はグランドフロアと呼んで、二階が一階になる。この旅行記では日本式の数え方でいく。
 お庭に出る前にお手洗いに寄ることにした。お庭に出るところのすぐ近くにお手洗いはあって、自由に利用可能。個室の中はふつうだけど、手を洗う場所はとても素敵。
 お庭に出てみると、思いのほか面白くない。こういう幾何学模様のお庭は上から見るのがいいのかも。そして、ちょっと前ならもっとチューリップがきれいでよかったんだろうな。花が開きすぎて、豪快なことになっていたり、ちょっと残念。
 じっくり見て、満足した私たちはカナルハウスを後にした。



■ レンブラント広場

 カナルハウスを出た私たちはすぐ近くにあるレンブラント広場に向かった。このレンブラント広場にはレンブラントの代表作である『夜警』の実物大の銅像があるというので楽しみにしていた。中にまぎれて撮影をするのだ♪ってね。ところがどっこい。ガイドブックにはレンブラントの像の前に銅像たちがいるはずなのに、レンブラントの像の前には何もない。ガイドブックが古かったのか、それとも何かあるのか…。特に広場に群像がない理由も書いていない。なんで…。ショックだ。
 ショックを受けつつも、理由はわからないし、ないものはないんだから仕方がない。次に向かおう…と歩いていったところで出会った絵描きさん。アムステルダムの絵を売っているらしい。水彩画でとても素敵な色のグラデーションがきれいな絵。軽くお値段交渉して2枚お買い上げ♪いい絵が買えた。



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